2010/09/25

Tate Modern テート・モダン


 2000年に入ってサウス・バンク再開発が進み様変わりしたロンドン。ミレニアム事業の一つであり、ランドマークにもなっているTate Modernテート・モダンへ行ってきました。

この煙突のある建物はもともとテムズ川南岸の工場地区に建てられたバンクサイド火力発電所でしたが、建築家コンビ、Herzog & de Meuron ヘルツォーク&ド・ムーロンによって近・現代美術館へ改装されました。目の前にはノーマン・フォスターの設計したミレニアムブリッジがセント・ポール寺院のある対岸とを繋いでいます。

 美術館は日本で言うところの6階建てです。

L1ミュージアムショップ
L2








 地下階(L1)がメインエントランスとチケット売り場、クローク、ミュージアムショップ、地上階(L2)がテムズ河側からの入り口とセミナールームがあります。 
L7バーより
 最上階(L7)には対岸を一望できるバーとレストラン、その下階(L6) には美術館会員専用のラウンジがあります。
 
 常設展示室はL5とL3、特別展示室はL4です。2010年9月現在、常設展の配置は以下のテーマ別になっています。
 L5では、「States of Flux」として、Cubisum  キュビズム、 Futurisum 未来派、 Vorticism ヴォーティシズム(渦巻主義)の作品がみられます。Energy and Process では アルテ・ポーヴェラ(Arte Povera、貧しい芸術)に関連した1960年代の先端アートが集められています。

 L3では、「Poetry and Dream として、ミロやピカソをはじめ Surrealism シュールレアリズムの作品、「Material Gestures」ではデュビュッフェモンタナなど戦後のヨーロッパ・アメリカの絵画と彫に焦点を当てていました。
























 展示をみているとたくさんのこども達が紙と色鉛筆を持って走り回っています。


 


 


 教育普及活動の一環として、L3に待機している普及係からグッズが配られ、作品をみながら感想を書いたり、デッサンをしたりしていたみたいです。
兜はThinking Hutみたいです
日本の兜発見!
 
 親切そうな係の人にぜひ教育活動の資料として欲しいのですが、とお願いしましたが、「申し訳ございませんが、これは数に限りがありこども達のためのものですので」と丁重にきっぱりとお断りされました。悔し紛れに「私に必要なのは自分の子供のようですね☆次にくる時はつれてきますから☆」と言ってきました。
映像ブース





















作品の素材
作品データベース









 その他に、展示品に関する映像ブース、素材や形の説明、所蔵データベースなども充実していました。
イギリスの国立美術館は入館料が無料で、企画展の入場料、寄付金やグッズの売り上げなどで運営されています。可愛らしい募金箱が至る所に設置されていました。

回収箱
コインが落ちる募金箱






















 資源も無駄にしない。必要のない配布物を回収しようとする姿勢には驚きました。


 この美術館のカフェとミュージアムショップには大満足です。カフェからの眺めが抜群なことと、グッズの種類の豊富さは、ほかの国立美術館よりも優れていると思いました。ただ。。。年代順に作品を並べていないので、異なる時代の異なる流れに属するアーティストが同じ部屋に並んでいたりします。これは、頭に現代美術の大まかな流れが入っていてもかなり混乱するし、まったく知識がない場合、テーマで分けたメッセージがまったく理解できないのではないかな、と思いました。
1点のみのロスコ
 あと、これは無念だったことなんですが、 今テート・モダンには目玉の一つであるロスコ・ルームがありません。1点のみ、ぽつんと置かれたロスコを前に「これルーム言わないよね?」とテート・ブリテンまで探しに行ってしまいましたが、 どうも川村でも行われたロスコ展へ出展した後、リヴァプールのテートへ巡回しまだ帰ってきていないようです。ロスコファンの方、どうぞお気をつけ下さいませ。

Ist hier es so schön?

2010/09/17

Mercedes-Benz Museum & Porsche Museum メルセデス・ベンツミュージアムとポルシェ・ミュージアム



 
 フライブルクのあるバーデン・ヴュルテンべルク州の州都、Stuttgartシュトゥットガルト。人口60万人で、ダイムラー、ポルシェ、ボッシュなどドイツを代表する世界的な企業の本社がある産業都市です。ミュンヘンのオクトーバー・フェストによく似た秋の収穫、ビール祭り、Cannstatter Volksfestカンシュタッター・フォルクスフェストが開かれることでも有名です。


 冬には大規模な Weihnachtsmarkt クリスマスマーケットも設置され、 商業的にも文化的にもバランスのとれたほどよい大きさの町だと私は思っています。そんなシュトゥットガルトでは、Mercedes-Benz Museum、Porsche Museum メルセデス・ベンツ・ミュージアムとポルシェ・ミュージアムへ行ってきました

メルセデス・ベンツ・ミュージアム

 2006年完成、オランダの建築家、ベン・ファン・ベルケルとカロリン・ボスの設計です。






 地上階から8階までタイムカプセルの様なエレベーターに乗ってあがると、まずは馬車が置いてあります。ベンツの歴史はそのまま近代の車の歴史に置き換えられるらしく、エンジンの開発から、空を飛べるようになるまで、地上に置ける最高速度の記録、軍事産業としての車、働く車、セレブとモードと車などなど年代順にみていくことができます。

 





 




 
 この博物館は2回目でしたが、(怖い人が乗る)高級車ベンツという俗っぽいイメージから、アウトバーンでもし事故ってもこの車なら生きていられそうな丈夫なベンツ、という良いイメージになりました。

ポルシェ・ミュージアム

ウィーンのDelugan Meissl 設計事務所によるデザインで、2009年1月に完成しました。ベンツ博物館が車産業の発展を説明する歴史博物館であるのにたいし、ポルシェ博物館はポルシェの歴史のみ、スポーツカーの速さと形の美しさとはなにか!を追求するまさしく「ポルシェファンのため」の博物館でした。







最上階からゆっくりとした傾斜を下に降りて行きながら 80台の車両と車の部品をみて行きます。













 ポルシェ博物館ははじめてでしたが、こんなにたくさんのポルシェをみたのもはじめてでした。車の背面の独特なカーブ、街中でみかけても見間違えない妙な自信がつきました。



 ベンツ・ミュージアムは3時間くらい、ポルシェ・ミュージアムは1時間半くらいのボリュームだと思います。それぞれのミュージアムショップにはミニカーや珍しいファンアイテムが置かれ、カフェやレストランには車の名前のメニューがあるなど、車が好きな人にとってパラダイスかもしれません。特に車に興味がない人でも、形の美しさ、速さを重視した車産業の歴史が学べる楽しい博物館だと思います。

Zuerst brauche ich meine Führerschein...