2000年に入ってサウス・バンク再開発が進み様変わりしたロンドン。ミレニアム事業の一つであり、ランドマークにもなっているTate Modernテート・モダンへ行ってきました。
この煙突のある建物はもともとテムズ川南岸の工場地区に建てられたバンクサイド火力発電所でしたが、建築家コンビ、Herzog & de Meuron ヘルツォーク&ド・ムーロンによって近・現代美術館へ改装されました。目の前にはノーマン・フォスターの設計したミレニアムブリッジがセント・ポール寺院のある対岸とを繋いでいます。
美術館は日本で言うところの6階建てです。
L1ミュージアムショップ |
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L2 |
地下階(L1)がメインエントランスとチケット売り場、クローク、ミュージアムショップ、地上階(L2)がテムズ河側からの入り口とセミナールームがあります。
L7バーより |
最上階(L7)には対岸を一望できるバーとレストラン、その下階(L6) には美術館会員専用のラウンジがあります。
常設展示室はL5とL3、特別展示室はL4です。2010年9月現在、常設展の配置は以下のテーマ別になっています。
L5では、「States of Flux」として、Cubisum キュビズム、 Futurisum 未来派、 Vorticism ヴォーティシズム(渦巻主義)の作品がみられます。「Energy and Process」 では アルテ・ポーヴェラ(Arte Povera、貧しい芸術)に関連した1960年代の先端アートが集められています。
L3では、「Poetry and Dream」 として、ミロやピカソをはじめ Surrealism シュールレアリズムの作品、「Material Gestures」ではデュビュッフェやモンタナなど戦後のヨーロッパ・アメリカの絵画と彫刻に焦点を当てていました。
展示をみているとたくさんのこども達が紙と色鉛筆を持って走り回っています。
教育普及活動の一環として、L3に待機している普及係からグッズが配られ、作品をみながら感想を書いたり、デッサンをしたりしていたみたいです。
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兜はThinking Hutみたいです |
日本の兜発見! |
親切そうな係の人にぜひ教育活動の資料として欲しいのですが、とお願いしましたが、「申し訳ございませんが、これは数に限りがありこども達のためのものですので」と丁重にきっぱりとお断りされました。悔し紛れに「私に必要なのは自分の子供のようですね☆次にくる時はつれてきますから☆」と言ってきました。
映像ブース |
作品の素材 |
作品データベース |
その他に、展示品に関する映像ブース、素材や形の説明、所蔵データベースなども充実していました。
イギリスの国立美術館は入館料が無料で、企画展の入場料、寄付金やグッズの売り上げなどで運営されています。可愛らしい募金箱が至る所に設置されていました。
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回収箱 |
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コインが落ちる募金箱 |
資源も無駄にしない。必要のない配布物を回収しようとする姿勢には驚きました。
この美術館のカフェとミュージアムショップには大満足です。カフェからの眺めが抜群なことと、グッズの種類の豊富さは、ほかの国立美術館よりも優れていると思いました。ただ。。。年代順に作品を並べていないので、異なる時代の異なる流れに属するアーティストが同じ部屋に並んでいたりします。これは、頭に現代美術の大まかな流れが入っていてもかなり混乱するし、まったく知識がない場合、テーマで分けたメッセージがまったく理解できないのではないかな、と思いました。
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1点のみのロスコ |
あと、これは無念だったことなんですが、 今テート・モダンには目玉の一つであるロスコ・ルームがありません。1点のみ、ぽつんと置かれたロスコを前に「これルーム言わないよね?」とテート・ブリテンまで探しに行ってしまいましたが、 どうも川村でも行われたロスコ展へ出展した後、リヴァプールのテートへ巡回しまだ帰ってきていないようです。ロスコファンの方、どうぞお気をつけ下さいませ。
Ist hier es so schön?
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